最後の戦いに向けて

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いよいよセンアーノ神戸ジュニアユース第13期生も中学年代の佳境へ差し掛かりました。夏のクラブユース選手権は何とか関西大会まで漕ぎ着けはしましたが、いざ関西大会初戦で内容・結果ともに実にアッサリと敗退してしまう残念な結果でした。直接失点した部分も中学1年生から伝えて来たのに、それでもポッカリと抜け落ちていたのは指導者の責任でしょう。もっと徹底して伝えておくべきことでした。
今ではもう過去のこと。それもきっと良い経験だったのだと思う事にしましょうか。

思い返してみれば、13期生が入団当初、まだ担当する前に彼等の姿を見て“決して強い世代ではないなぁ”と内心は思っていましたが、そうは言ってもとても良い内容のゲームがあったり、かなり強いチームに勝ったりと、魅力が無いわけではないチームなのだと今では感じます。1年生の夏以降、担当する様になってからは“とにかく走らなければダメ”と、試合中はもちろん遠征や普段の活動でも容赦せずに走って来ましたが、先程述べた様に、強豪に勝った際には「結局、走り勝っただけやなぁ」と選手と共に何とも言えない笑顔を浮かべた記憶は一度や二度ではありませんね。でも、そうさせたのは13期生の「素直さ」なのだと思います。1年生からずっと“この世代はどんな感じですか?”と聞かれると、いつでも「素直です」と紹介して来ました。プレスを掛けろと言えば闇雲なまでにプレスを掛け、球際・競り合いと吠えればそれに負けない気迫のボディコンタクトを、追い越すことがテーマならビュンビュン追い越して裏を空け(苦笑)、ヘディング練習をすれば今まで見た事が無い様なヘディングのゴール、ゆっくりやろうと言えばと終始歩いて攻めたり・・・。とにかく「言われたことを素直に受け止める」ということが君達の最大の武器。だからこそ「走れ」と言われれば犠牲を厭わずに「とにかく走る」を選べたのでしょう。この素直さはきっとこれからも大いなる武器のはずです。もっと走りましょうね(笑)

改めていよいよ迫る中学サッカー最後の瞬間。
それはもちろん高円宮杯とトップリーグ入れ替え戦のこと。
どちらも“負けたら終わり”のスリルがあり、それは最高と最悪の要素を兼ね備えています。サッカーをやる上での最高の高揚感とモチベーション、上手くやり遂げた時の達成感、気持ちが入りすぎて空回りや緊張過多による機能停止、そして敗れた時の喪失感・・・。それらは今まで感じたことが無い、生涯に残る大きな思い出を残すだろうと予想しますし、何年先も皆で語れる様な激闘になることは間違い無いと思います。でも、よく考えてみれば試合に臨むにあたって一番大事なことは勝利することでは無く、自分の持っている力を発揮することなのだと思います。その為にはどんな困難な苦境にも負けない強い精神で平静を保ち、平常心で戦うことです。そして、それを可能にするのは不断の努力。持っている力を高め、それを発揮する。それに尽きるのだと思うのです。

有難いことに、まだ時間はあります。
迎える本番を言い訳の無い状態で臨みたい。
その為のプロセスを積み上げたい。
そして、もちろん結果が全てじゃ無いんだけど、それでも結果が欲しい。
良くやったじゃ物足りない、惜しかったじゃ悔しい。
今まで味わったことの無い喜びに震えてみたい。

最後の夏を通して13期生は良かったり、悪かったり、元気だったり、目も当てられなかったりと相変わらずの好不調の波が来ていますが、最後の期間は留まる事無く上昇気流に乗りたい。ここからは願いや期待を叶える為の最後の戦いなのですから。

もちろんユース年代へ向けての手応えもあります。このジュニアユース年代で“これが出来て欲しい、尚且つ、これも出来た方が良い”という部分は身に付けていると確信しています。この13期生からユース年代で活躍する選手が出てもおかしくはないと信じることが出来ます。ただ願わくば、それがこの秋でも発揮されることを望んでいます。

いつでも人の話に耳を傾け、実直に素直に取り組む13期生なら、きっと出来るはず。
素直に学んで来たことが大いなる助けになるはず。

きっと、出来る。
そう信じています。

最後の戦いに向けてのカウントダウンは響き始めています。
残り少なくなった共に過ごす時間、夢と感動を求めて、燃える様な日々を過ごして行きましょう!

2015年8月25日 センアーノ神戸ジュニアユース担当 岡山 理継